【師匠と私②】届きそう病は、たぶん治らない

「ここは5Wだ…」
残り距離を見て、私はそう言った。
グリーンの近くまで運べそうな距離。
うまく打てれば次が楽になる。
フェアウェイにバンカーがせり出して狭いけれど、そこに運びたい…
「……本当に???」って顔で師匠が私を見る。
距離的には届く。でも、右のバンカーはかなり大きい。
師匠は苦笑い。
「またその病気か。」
「病気?」
「届きそう病。」
「そんな病気あるの?」
「今つけた。」
私はいつも、「届きそう」と思うと狙いたくなる。
届くかもしれない。
乗るかもしれない。
パーが取れるかもしれない。
そんな”かもしれない”に、ついつい期待してしまう。
もちろん結果は……
右のバンカー 😔
「あーっ💦」
思わず声が出た。
師匠は笑いながら、
「マネジメントが悪い。」
と言う。
悔しいけれど、何も言い返せない。
失敗したから、で、成功してたら「すごいね!」ってことになるのになぁ…
バンカーから8番アイアンで何とか脱出。
ダボで終わった。
歩きながら師匠が言う。
「ゴルフは、うまく打てた時で考えちゃダメなんだよ。」
「え?」
「ミスしたらどうなるかで考える。」
その言葉が、妙に心に残った。
私はいつも、
"うまく打てた未来"
ばかり見ている。
でも師匠は、
"ミスしても大丈夫な未来"
を見ている。
同じ景色を見ていても、考えていることは全然違うんだなと思った。
とはいえ……
次に同じ場面が来たら?
たぶん私はまた言う。
「届きそう。」
そして師匠はきっと言う。
「ほら、また届きそう病。」
どうやらこの病気、完治までには少し時間がかかりそうです(笑)。
…というより、治す気があるのかどうかも怪しいですが🤭
