【師匠と私④】「ナイスショット」の基準が違う

フェアウェイ左端からのセカンド。
前にはバンカーが二つ並んでいる。
私の頭の中は、もちろんこうだった。
「バンカーを越えてグリーンオン!!!」
いつものように、ピンしか見えていなかった。
打ってみると、少し右へ。
フェード気味の球。
グリーンには乗らない。
フェアウェイへ…
「あー、乗らなかった。」
そう思った、その時。
師匠が一言。
「今のナイス。」
「えっ?」
思わず聞き返した。
「乗らなかったよ?」
すると師匠は、前を見ながら言った。
「それでいい。」
「真っすぐ行ってたら、二つ目のバンカーに入ってたでしょ。」
……言われて初めて気づいた。
私はグリーンしか見ていなかった。
師匠は、その先まで見ていた。
結果だけ見れば、グリーンオン失敗。
でもゴルフ全体で見れば、バンカーを避けて次につながる一打だった。
その一打を、師匠は評価していた。
私はずっと、
「ナイスショット=思った通りの良いショット」
だと思っていた。
でも師匠にとっては、失敗した、と思ったショットであっても
「次につながるショット」
こそがナイスだった。
あれから少しずつ、狙うことだけがゴルフじゃないと分かってきた。
攻める日もあれば、守る日もある。
それもコースマネジメントなんだ。
ちなみに師匠は、普段あまり感情を表に出さない。
けれど、たまに拍手してくれる日がある。
その拍手が出ると、
「今のは本当に良かったんだ。」
と、ちょっと嬉しくなる。
相変わらず、私はついついピンを狙いたくなる。
でも最近は、その前にちょっとだけ考えるようになった。
「師匠なら、どこをナイスって言うかな。」
少しだけ、ゴルフの見え方が変わってきた気がする☺️
